最近ニュースで賭けマージャンがどうのと話題になっているのを見て、阿佐田哲也を思い出したのですが、阿佐田哲也と聞いてわかる人がどれくらいいるのでしょうか?
阿佐田哲也 小説家 代表作に麻雀放浪記があり、昔マガジンで連載していた哲也の坊や哲の原作であり、雀聖、麻雀の神様、といわれた人です。
阿佐田哲也、名義で30冊くらい麻雀や賭け事、阿佐田哲也は麻雀以外にも競輪、サイコロ、手本引き、バカラなどありとあらゆる賭け事の小説を書いております。
あと本名の色川武大でも賭け事から少し離れた、旧約聖書や親や交友録についての小説も10冊くらい出しております。
麻雀小説の中でイカサマなど多少は書かれておりますが、総じて阿佐田哲也の賭け事に対する考え方は、火傷をしない賭け方と、3~4割勝ちでトータルで勝ち込む方法と意外にしみったれた勝負の世界を書いております。
僕的にお勧めは、もちろん麻雀放浪記もお勧めですが麻雀放浪記からのスピンオフのドサ健博打地獄、上、下が非常に面白く、知り合いのママと最高レートの麻雀部屋を作りそこに集まる上級ゴトシの殺し合いが非常に人間臭く、ケチなギャンブルの世界がドロドロしていて楽しかったです。
阿佐田哲也が麻雀の神様ですからその小説はバイブルであり、ちゃんと経済書を読んだら僕はもっと出世するのかも知れませんが、僕は阿佐田哲也の小説を聖書のごとく参考にしておりました。
麻雀放浪記から一部抜粋します。
とてもわからねえだろうが言って聞かせてやる。
素人が慰みで牌を握っているんじゃねえぜ、俺たちはこれで生きているんだ、死ぬまでやるのさ、負けるのはつまりは死ぬときのことなんだ。
本来はみんなこんな風にして生きるものなんだ、それじゃあ不幸だっていっても仕方がねえんだ。
不幸じゃない生き方ってのはつまり安全な生き方があるだけだな、安全に生きるために他の事をみんな犠牲にするんだ。
手前っちは家つき食つき保険つきの一生を人生だと思っていやがるんだろうが、その保険のおかげで、この世が手前のものか他人のものか、この女が自分の女か他人の女かすべてはっきりしなくなっているんだ。
てめーにできることは長生きだけだ、クソたれて我慢して生きてくんだろ。
。。。。狂っておりますね、先の賭け麻雀でどうのと話題になってた人達もこれくらいの覚悟で牌を握っていたら凄いんですけどね。
阿佐田哲也の麻雀小説もですが、晩年の本名の色川武大で出した小説も人間の本質に迫る微妙な心の描写が面白く是非お勧めいたします。
たかだか麻雀されど麻雀、昔は法も甘かったからレートなど高かったのでしょう、依存度は射幸心に大きく左右されるのでその依存症度は現在の賭け事の比じゃないんではないでしょうか。